人生を賭けたから生まれるFAとドラフトでのドラマ

プロ野球は長年多くの日本人に愛されてきたスポーツであり、近年は地域密着型の運営に球団側もシフトして熱狂的なファンを新しく生み出しています。

日本の中だけでも、リトルリーグや高校野球、大学生や社会人、独立野球などさまざまなリーグの野球があり、プロ野球はその中でも野球選手なら誰しもが目標にしている憧れの場所でもあるのです。

プロ野球の熱心なファンであれば、毎年のドラフト会議を心待ちにしてその年の指名選手を熱く見守っている人は少なくありません。
ルール改定もある中での変化もありますが、1位指名確実と言われていた選手が選ばれなくて涙したり、その後何年も経てFAで第一希望の球団のユニフォームに袖を通すなどのドラマもありました。

近年ではその年に一番良い選手を指名するという信念で1位指名を続けている日本ハムが、メジャー行きを公言していた大谷選手の指名に踏み切ったドラマもあります。結果として大谷選手に対する球団の強い思いと期待、育成プログラムが大谷選手の心を動かしました。
入団後に大谷選手は日本のプロ野球界の宝として活躍した実績を残して、日本人とアメリカ人の期待を乗せてメジャーの土を踏んだのです。この事実もFAが生み出したドラマでもあります。

FAは長年1軍で活躍し続けてきた選手がようやく手に入れることの出来る権利であり、自分のキャリアや思いを熟考してFA権を行使する選手もいます。
選手の権利とはいっても、長年チームとその選手を応援し続けてきたファンの心理は複雑で、FA移籍後の試合で元のチームのファンから厳しい言葉を投げかけられる選手もいたのです。またFAは権利を行使した選手だけでは無く、もう一つ別のドラマが生まれることもあります。

FA権の人的補償としてプロテクトから外れていたチームはえぬきの有名選手が、FA権を行使されたチームから選ばれることもあったのです。
育成やこれから先のチーム力を総合的に判断した結果であったとしても、長年チームに貢献してきたはえぬきの選手が人的補償で別の球団に移ることはファンに驚きを与えます。
しかし一流選手の移籍だからこそ人的補償であってもまた新しいドラマを生み出してくれるのです。